2010 JPBA TOUR 2nd
"AQA KINUGAWA CUP"
2010年JPBAツアー第2戦
『AQA鬼怒川カップ』
3カテゴリ開催、そして波に恵まれた鴨川
DAY 1:頭サイズオンショアコンディションでスタート!
今シーズンのセカンドイベント、そしてDKクラスは初戦となる"AQA鬼怒川カップ"初日が千葉県鴨川市のマルキポイントにて開催された。
天候は昨夜の大雨が嘘のような快晴。波のサイズはセット頭サイズという最高のコンディションの中、R1から1ポイント運営でスタート。朝一番からのポイントコールはJPBA初めてとなる。
予定通り7時よりメンズクラスR1よりスタート。オンショアのコンディションながら形のいい波を選んだ選手はいいアクションをどんどん入れる素晴らしいライディング。そして今シーズン初戦となるDK(ドロップニー)クラスには山田幸久プロ、鈴木啓祐プロ、富田和麻プロといった実力派ライダーも顔を揃え、素晴らしいライディングを披露。順調にラウンドアップを果たし実力を見せつけた。
イベントは進みR2からはウィメンズクラスも開催。初戦のファイナリストの若手アマ相田桃、畠山美南海選手、そして優勝してプロ転向した鈴木彩加選手は全て順調にラウンドアップ。若手の勢いは止まらない!
。若手を向かい撃とうと望月康子プロ、太田晶子プロ、佐藤晃子プロなどがいいライディングを見せ1位で R3へラウンドアップを果たした。
メンズクラスR2ではキレのあるライディングが多数見られた。
初戦の覇者でプロ転向した榎戸崇人プロをはじめ、前山剛志プロ、若手期待の粂総一郎アマなど安定したハイスコアを叩き出し1位通過。今回も口蹄疫募金を行っている宮崎から期待を背負った加治賢和プロは波から飛び出るエルロロで会場を沸かせる。
お馴染み"GURIGURIチキン"登場!
会場には毎度お馴染みのグリグリチキンが登場。皆この登場を楽しみにしていたのか列が並んだ。
これ本当に美味しいんですよ!来場の際は是非!明日も出店します!
ウィメンズクラスR3は波の選択が重要
サイズはオンショアにも助けられたが若干のサイズダウンコンディション。
いよいよ本日開催の最終ラウンド、ウィメンズクラスR3からはトップシードが登場。ラウンド1から勝ち上がってきた勢いある選手と緊迫の戦いを見せる。
初戦の優勝者でプロ転向した鈴木彩加プロは1位通過。
奥山千晶プロ、ハワイから参戦の小倉亜希プロも順調にラウンドアップ。
そして著しい成長を見せる大原沙莉アマを抑えて1位通過したのは地元鴨川より参戦の柴田梨加アマ。
高さとキレのあるライディングでウィメンズクラスR3の2番目の合計得点を叩き出した。
明日のQFで3位に入ればプロ転向権利獲得となる。
そしてR3は最終ヒートで大波乱。
昨年のグランドチャンピオン井上美彌プロがまさかの4位敗退。
このヒートを勝ち上がったのは勢いが止まらない相田桃アマ、畠山美南海アマ。
波運に見放され、狂ったリズムも取り戻せないまま無情にもヒートは終了。
やはりこのイベントも若手の勢いは誰にも止められないのか?!
DAY 2:ハイレベルなアクション、そして逆転のドラマ
ファイナルデーとなる日曜日、天候は晴れでのスタート。
肝心の波はサイズダウンしたものの面がクリーンでアクションの入れやすいブレイク。
ファイナルデーはメンズクラスのR3からスタート。
R3トップシードの5名にスポンサーシードの小鍛治アマが登場。初日を勝ち抜いた選手達と白熱のヒートが続いたが、実力・試合運びに勝るトップシード選手全員がラウンドアップを果たした。
入賞への分かれ道クォーターファイナル
そして戦いはクォーターファイナルへ。QFの3位までが入賞となる。
ウィメンズクラスのH1は鴨川へ移り住んで1年が経った奥山千晶プロが2位でセミファイナルへ進んだ他、西村・大原・永井・鈴木といった若手実力派選手もラウンドアップ。H4ではハワイから参戦の小倉亜紀が2位通過、そしてこのヒート絶好調のライディングを見せた刀根真由美プロがQF合計最高得点11.25pを叩き出しセミファイナルへラウンドアップ。
メンズクラスではH1の接戦で柴田泰之、長沢勇治が逃げ切りラウンドアップ。そしてH2、H3では四天王の榎戸輝、榎戸崇人、京谷雄作、近藤義忠の4名がしっかりとラウンドアップ。
大きな見所のウィメンズセミファイナル
ウィメンズクラスのセミファイナルは今シーズンの大きな見所となっている。
それは若手の著しい成長によりファイナリストに入れるかどうかが掛かるこのセミファイナルはとても熱い戦いが繰り広げられるからだ。
H1では畠山美南海アマ、西村優花プロ、永井那旺プロ、小倉亜希プロと一人のアマを3人のプロが向かい入れる対戦。しかしここでも若手アマの勢いが止まらない。伸びのあるターン、高い身体能力から生まれる打点の高いエルロロで高得点をマーク。ダントツの1位でファイナルへラウンドアップ、2位でファイナルへ進んだのは西村優花プロ。
H2でも1位通過はぶっちぎりの大原沙莉アマ。
続いたのは地元の意地を見せた奥山千晶プロ。高さのあるエルロロからインサイドでもロロを決めて5.8pをマーク。合計得点9.30pで前回優勝しプロ転向した初戦となった鈴木彩加プロを敗りファイナリストとなった。
ハイポイントの重要性 メンズセミファイナル
オンショアが強く吹き始めサイズがアップする中開催されたメンズセミファイナル。
メンズクラスのセミファイナルには四天王に柴田泰之プロ、長沢勇治プロが望む形となった。
H1では京谷雄作プロが圧倒。ハイスピードなターンからエルロロを間髪入れずに2発入れるなどスピード、高さ、難易度とも申し分ないライディングで合計ポイント15.75pをマークし1位通過、宙を舞うような滞空時間の長いエルロロを見せ12.50pのを叩き出した榎戸崇人プロがあとに続く。
H2では近藤義忠プロ、榎戸輝プロが長沢勇治プロを下しファイナルへ。
合計ポイントでは僅差と見えるのだが、ハイポイントで開きがあるとどうにも逆転が難しい。四天王相手では1本で逆転が生まれない状況が続いてしまうのだ、これは現地へ行かないとなかなか伝わらないポイントなので補足しよう!
激闘!ファイナル
ファイナル最初はこのイベントが初戦となるDKクラス。
残ったのは富田和麻プロ、鈴木啓祐プロ、川名祐介プロ、山田幸久プロの実力派4名。
誰もが山田幸久の優勝を予想していただろう。しかし今回明らかに流れは山田に来なかった。
最後1本いい波を掴んだが、いつものスラッシュは見られず本人も頭を抱える間に、ゼッケン赤の富田和麻プロが波を大きく使ったマニューバーを重ね他の3名を大きく引き離した。山田幸久は最後まで逆転をすることが出来ず2位。富田和麻プロが久しぶりの嬉しい優勝となった。
続いてウィメンズクラス。
畠山美南海アマ、奥山千晶プロ、西村優花プロ、大原沙莉アマの戦い。
序盤畠山美南海アマがライトブレイクでのロロでハイスコアを出すがあとが続かない。難しい内容にトライしながらも単発のアクションで終わってしまった奥山千晶プロも得点伸ばせず。
前回3位に甘んじた西村優花プロはここでプロの意地を見せたいところ。コンビネーションのライディングを重ねるがリップの切れに欠き今一歩得点伸びず。
終わってみればエルロロの完成度で高得点を重ねた大原沙莉アマが逃げ切り嬉しい初優勝となった。
最終の大一番メンズファイナル。
オンショアの影響で決していい波とは言えなくなってきた中メンズファイナルがスタート。
誰もが10点を出せる4名での戦いはスタートと同時に激闘となる。
京谷がARSを見せれば、榎戸輝、榎戸崇人もARSを連発。ライディング毎に順位が激しく入れ替わり合計得点が跳ね上がる。気がつけば全員が合計得点11点以上という戦い。
歓声、落胆・・・ギャラリーからもライディングの度に大きな声が上がった。
そして榎戸崇人プロがトップ、6.96pのライディングが必要な2位近藤義忠プロが追いかける状況のまま迎えた残り30秒。
入ってきた最後のセットが入る。
近藤義忠、榎戸崇人、京谷雄作の同時にテイクオフ。
そしてそのままヒートは終了。
選手がビーチに上がり始めてもまだ最終コールはされない。
MC山田亮一がゆっくりと話し始める
「ラストのライディングは・・・・・7.25p 逆転で優勝は近藤義忠!」
ドラマのようなファイナルを制したのはゼッケン青の近藤義忠プロ。ビーチで両手を上げたあと泣き崩れるように両手で顔を覆った。
今回のイベントも見所満載の本当に素晴らしい2日間となった。
会場を快く使用させていただいた鴨川のローカルの皆様、冠スポンサーの鬼怒川商事株式会社様、鴨川ロイヤルホテルの小倉様、そして会場に来て選手に熱いエールを贈っていただいたギャラリーの皆様にはこの場をお借りして心より厚く御礼申し上げます。
次のイベントは7月17、18日のMALIBU KAMOGAWA GIRLS FES。
お楽しみに!
レポート:岩波重之
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